オステオパシーには頭蓋矯正法=
クラニアル・テクニックがあり、
最近ではだいぶ多くの人が学んでいるようです。
それは大変に良いことのように思われますが、
以前書いたように、その中身は千差万別で、
甚だしく稚拙なものも多い。
しかし、たとえどんなにオステオパシーの
技術やクラニアルの技術が素晴らしいとしても、
もし歯自体に大きな問題を持つ場合には、
きちんとした治療はできないということを、
クラニアルをしっかり勉強している先生ならば
充分理解できるでしょう。
不正な咬合面(上の歯と下の歯の接触面)があれば、
頭蓋もそれに合わせて歪むからで、どんなに
治療しても、無駄になるわけです。
その不正な咬合には多くの理由があり、
正しくない歯科治療、歯列矯正、つめものの大きさ、
かぶせものの形状が正しくなかったり、入れ歯の形が
悪かったり、マウスピースがあっていなかったり、
歯ぎしり、食いしばりにより歯の形状が悪く、
正しい咬合を保てないなどです。
噛み合わせの重要性は、一時、プロ野球選手が
マウスピースを合うようにしてつけることで、
良い結果を出すことをやっていたのを
覚えている人もいるでしょう。
不正咬合は多くの症状を作り出しますし、
どんなに優れた骨格矯正をしても、
無駄にしてしまうということを起こします。
悪いことに、それに気づかず、一生懸命に
身体を治療し、なんとかしようとしても、
この咬合が悪いため良い結果を出せず、
苦労している治療者の悩みと、患者の苦悩があります。
それにもまして悪いのは、腕の悪い歯科医により
悪化させられていることにより、多くの身体の
負担を背負っている患者で、それに気づかなかったり、
もっと悪いのは、自分の技術の向上をめざさない
歯科医自身です。
治療師の世界と同じで、利益アップのための
セミナーは受けに行き、本当に技術を上げる
ための治療セミナーには行かないそうです。
そして本物の技術を伝えようとすると、それを
妨害する人たちがいて、1つの失敗事例を
持ち出して、まったくだめであるということを
強調して言ってくるそうです。
こんなことでは、本当に技術は広まらないし、
また伝えたいと考えている先生も、嫌気が
さしてくるでしょう。
だから治療の世界も歯科医の世界もレベルが低く、
それによって救われない多くの患者がいるのだと
言うことがよく分かりました。
このように腐った中でも、素晴らしい人たちがいます。
その素晴らしい術者が少しづつ増え、この間違った
世の中が覆ることをただただ望むばかりです。
歯科医の世界の話を聞いたときに、
「なるほどな」と思いました。
それは、「歯科アプローチセミナー」に、
本来、この分野の重要性を認識していたら
どんなことをしてでもセミナーに来る人が
大勢いるはずなのに、来ない理由が
よく分かりました。