治療者は、まず問診を取る前に
患者が歩く姿(両足の出方、足の向き、
スピード、膝の向きや角度、身体の
上下動、腰の振り方、身体の左右の
触れ方、両腕の振りだし方、肩の動きや
身体の緊張度)を一瞬にして
見抜くことが大切である。
そして立った時、座ったときの
身体の向き、頭の向き、
肩の高さに注意する。
もし右脚、右膝、右足に痛み、または
右腰に痛みがあるとするならば、
普通は体重や身体を左に曲げて
右のかかる負担を少なくしようとする。
それにも関わらず重心を症状側に
かけているとするならば、それは
それだけの理由が必ずあるものである。
私は痛む側も、必要があれば治療する。
しかし同時に、その「理由=原因」を
見つけ出して治療をしなければ、
患者の治療だけではその時にいかに
楽にして一見よくなったように見えても、
すぐに再発してしまう。
本当の治療とは、今ある、目に見えている
症状に対して行うだけではなく、必ず
原因に向かって治療をしなければならない。
また観察する目、そして触診で
どうしてそこが治りにくいかを見つけ出す。
例えば、右足首に痛みがあるとする。
内側が痛むか、外側に痛みがあるかでも
見方を変える必要がある。
次に必要とされるのが問診である。
その足首の痛みのスタートはいつからか?
原因となる出来事はあったのか?
さらに悪くなったのか?
少しづつ悪化していったのか?
今までの間の経過もまた聞いておく
必要がある。
何か治療をしていたか?
身体のために自分で何か体操的な
ことをしていたのか?
普段どのように気を使ってるか?
時として本人が良かれと思って
やっていることが、全くダメで
あることもある。
それらの問診、そしてそれに続く
身体的検査や触診が本当の原因に
たどり着くことがある。