私は最近、どの歯が頭蓋の何に影響を
及ぼしているかを見つけ出すテクニックを開発した。

 

それが正しいことは、私が信頼している
歯科医師である丸山先生に、その歯を
確認していただくことを何回かして
もらったので、明白となっている。

 

そして、丸山先生のような歯科医師を
知らない、または治療を受けてもらうことの
出来ない先生のために、その歯の形は
変えられないが、一応対応テクニックも開発した。

 

本来は信頼のおける歯科の先生に
その歯を任せるべきであるが、
仕方のない時の応急法である。

 

私が何度も繰り返し言っていることだが、
どんなにクラニアルテクニックが
素晴らしい先生であっても、

 

歯の形状が悪い患者を
本当に治すことはできないと断言する。

 

一時的に良くなったように思えても、
時間と共にまた悪くなってしまう。

 

患者も、またオステオパスも、
この辺を充分に認識できている
ようには思えない。

 

ただし、ここで言うオステオパスは
「日本の」ということである。

 

なぜならば、マグーンの本には、かなり
しっかりと歯について書かれており
(頭蓋領域のオステオパシーの第2版以降)、

 

またCSTの創始者であるJ.E.アプレジャーも
その「頭蓋仙骨療法ー硬膜を超えて」
において、TMJ,歯について詳説されている。

 

なぜ彼らがここにこだわったか、そして
ヴィオラ・フライマン先生もTMJのテクニックを
臨床で取り上げ、そしてセミナーでも教えて
いたのかが分かろうというものである。

 

この辺の重要性を意識して、日本の
オステオパシーセミナーで詳説して
教えているのは私ぐらいであろう。

 

単なるTMJのテクニックでは、私が
治すべきと言っているレベルには
到底程遠く、私からすれば遊びの
レベルということになる。

 

去年このことの重要性に気付いている
数名の治療者が、私のこの歯科領域の
セミナーに参加してくださったが、

 

残念ながら圧倒的多くの日本人の
オステオパシーを勉強している先生たちは、
全く興味を持ってくれなかったようである。

 

残念なことである。

 

私は、開発したこの「歯科領域の
オステオパシー」は今後セミナーで
教えるつもりは全くない。

 

ただ、これら開発したテクニックが
埋もれてしまうのは、苦しんでいる
患者さんたちには大変不幸であると考えて、

 

私の「頭蓋治療教本2」には入れてある。

 

せめてこの本に載せたテクニックを、
多くの先生が真剣に学び、臨床に役立てて
くれれば幸いである。

 

それは今の先生たちに対して、
諦めたけども、これから学ぶつもりの
先生に残そうと考えたためである。