スティルが徹底的に教えたのは、
正常とはどういう状態かということでした。
スティルが言っていたのは、
病気とか病変を見つけるのは誰にでもできる。
だけどもその人の中に健康を見つけることができない。
そう言ったんですね。分かりますか。
有名な先生で、ビオラ・フライマンという先生がいます。
世界的に有名な女性の先生です。女性でも有名になれるんです。
フライマン先生がセミナーでこう言いました。
フライマン先生は小児障害者センターというものを作って
障害児の治療をやっていたのですが、医者も見放すような 3 歳の子供で、
ハイハイもできないような子供などたくさん治療して治しているんですが、
それで当時 3 歳で歩けない状態で体の障害を持っている子供でも
歩けるようになるという治療をしていた先生らしいです。
僕は見てないんで話だけしか知らないですけど。
その先生が、日本に来てセミナーを行った時に、こう言いました。
「障害を持つ子供はうまくしゃべれず、言葉を発することもできないんですが、
その子の中の長所を見つける、その子の中の素晴らしいところを見つけて、
そこはいつも認めてあげる、あなた達もそのように見なさい」と言っていました。
悪いところを見ることは誰にでもできる、
でもそうではなくて良いところを見つけなさい。
一流の先生はみな哲学を持ち、フィリップ ・ドゥリュエルという先生も、
患者さんと会う時は「世界で一番大事なのはあなただ」という目で見なさいと言っています。
「あなたが世界で一番大事だよ」と。
世界で一番大事だから優しい言葉をかけるということではないです。
厳しいことを言うかもしれませんが、今治療している時において、
世界で一番大事なのはあなたですよということです。
そのように考えて治療しなさいと言っています。
これはフィリップ・ドゥリュエル先生の僕が持っている本なんですが、
この中にフィリップ先生が手技をやっている写真が載っています。
こういう本を持っている人は知っていると思いますが、
写真を撮っているドクターは緊張してると言うか、
真面目な顔をしている人が多いです。
まあ当たり前といえば当たり前なんですけど。
でもこの先生はこうしてにこっとしてるでしょう。
こういう写真が何枚もあります。目つきが違いますね。
テクニックの本でこういう表情で写真を撮られてる人はいないです。
多くの人は威厳のある真面目な顔つきをしてるんですけど、
この先生はにこっとしています。先生だけですね、
こういう顔で写真を撮られているのは。まなざしがとても柔らかいですよね。
これはもう本当に写真だけではなくて、セミナーで大勢の受講生の見ている中で
赤ん坊の治療する時など、周りに大人が何十人も見ている中で怖がる赤ん坊も、
最後にはドゥリュエル先生に向かってニコッと笑いかけていました。
赤ん坊もおとなしくして笑いかけていましたね。
彼の場合、魂で治療しているという感じがしますね。 素晴らしい先生ですね。
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この「オステオパシーという治療法に対しての見方と捉え方」は
過去に行った「触るからはじめるオステオパシーセミナー第1回 」からの抜粋です。
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