「触れられる」事に関しては、
実は精神面が関与しています。
で、そこに何が入ってくるか?
患者側から見て、術者側から見て
というのがあるんですけど、
術者は何が起こると
これが狂うんでしょうか?
例えば患者さんが20分ぐらい
遅れてしまったとします。
少ししか時間がない、
そして次の患者さんがいっぱいいる、
そんな時に焦って、そういう焦りの
精神状態が手に自ずと出てしまいます。
その人をなんとかしようと思ったら
短時間でやらなければならない、
でも30分20分10分という
限られた時間の中で、
できる事をやればいいやと
割り切ってしまえばいいんですけど、
その先生次第という事になりますね。
焦りとか邪念ですね。
あと患者さんに対する気遣いを
持つかという事ですね。
あと自分の持つ技量の未熟さ、
あるいはその触り方の未熟さ、
不安、自分の技術に対して
信念を持たないとか、
経験の少なさとか、
そういうものが「触る」時に
現れてしまうんです。
そうすると患者さんは、
すごく緊張してる人だと
分からないかもしれませんが、
力が抜けて慣れた人だと、
むしろ目をつぶってリラックスとか
してるほうが、術者の緊張度合いが
わかってしまいますね。
例えばマッサージなんかでも、
外から見えるマッサージ屋さんがあって、
マッサージ師が窓の外をぼんやり見ながら
マッサージしているのが見えたりします。
そういう手を抜いてる感じというのも
患者に伝わってしまいますよね。
目をつぶっていたり
うつ伏せになっていたりするからこそ、
伝わってしまう。
意識を外していても
手に集中してる事もあるかもしれません。
演技で集中してるように見せる事はできても、
ベテランの患者というのはいますからね。
患者がこの治療者は気を抜いている、
手を抜いているとか、
そういうの患者さんに伝わりますよね。
でも意図的に気を抜く瞬間はあるんですね。
力と力がぶつかると刺激が通らない、
入らないので、そこでふと気を抜いてあげると、
力が、刺激が相手に入るんですね。
分かりますか?
ですから、そう簡単じゃない。
技法としてそれが使えるかどうか
また別なんですね。
だから技術として相手に不快を
与えないで力を入れるという
方法はあるんです。
それができれば別ですけど、
普通は明らかに攻撃の意思を感じると、
それに対して反発をしますが、
静かにスーッと来られると
気づかないうちに入っちゃった
という感じでしょう。
相手に抵抗防御とか反発感や
抵抗感を出さないで、こちらの
力を入れるという事ができない限りは、
やっぱり相手はこちらの気持ちを感じて、
それが伝わってしまう。
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この「触られる」事について」は
過去に行った「触るからはじめる
オステオパシーセミナー第8回 」からの抜粋です。
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